自動車保険の等級の引継ぎとは?法人から個人への引継ぎから等級継承期間まで徹底解説

自動車保険の等級の引継ぎとは?法人から個人への引継ぎから等級継承期間まで徹底解説

この記事では自動車保険の等級制度について、どこよりも詳しく解説しています。

自動車保険の等級制度について

自動車保険には、「ノンフリート等級」という制度があります。
一般的に、この「ノンフリート等級」の事を省略して「等級」と呼んでいます。

自動車保険では、この等級によって割引率と割増率が決まります。

新規で自動車保険に加入する場合は6等級からのスタートとなります。

等級は1等級~20等級まであり、1年間無事故(=保険を使わないと)だと1等級ずつ等級が上がっていきます。

等級が上がるほど、保険料の割引率が高くなり、保険料が安くなります。

逆に事故を起こしてしまい、自動車保険を利用すると、翌年の等級が3等級下がってしまい、保険料の割増率が高くなり、保険料が高くなってしまいます。

事故の等級については、通常は翌年に3等級下がりますが、事故の程度によっては1等級のみ下がる場合や、等級が下がらない「ノーカウント事故」というのもあります。

等級が3等級下がるのは、車同士の事故で保険を利用した場合や、自損事故で車両保険を利用して車を修理又は買い替えをした場合などです。

等級が1等級下がるのは、飛び石やいたずらなどの事故以外が原因で保険を利用した場合などです。

ノーカウント事故は、弁護士費用のみの利用や、人身傷害保険のみを利用した場合などです。

一般的に、等級が1等級の場合は保険料が64%増しとなり、20等級の保険料は63%引きとなりますので、等級によって支払う保険料にかなりの差があることがわかりますね。

等級による保険料の違い

自動車保険の等級は引継げる

前項で解説しように、自動車保険に長期間加入していて、無事故の状態が続くと1年で1つずつ等級が上がっていきます。

等級が上がるほど、保険料が安くなりますので、自動車保険における等級は非常に重要です。

等級は無事故でも、1年に1等級ずつしか上がらない為、新規で自動車保険に加入して最高の20等級になるには14年間もかかります。

では、自動車保険会社を途中で切り替えたとき、この等級はどうなるのでしょう?

また6等級からのスタートになってしまうのでしょうか?

いいえ、その心配はありません。

なぜなら「等級の引継ぎ」という制度が存在するからです。

「等級の引継ぎ」とは、文字通り「等級を引き継ぐこと」で、自動車保険を他社へ切り替えたい時や、契約を中断し、再度契約をする時に使用することができる制度です。

等級の引継ぎを行えば、新たな契約時に、また6等級から始める必要は無くなり、それまで積み重ねてきた等級で契約が出来ます。

他社へ切り替えるタイミングは、保険契約の満期日(1年間)に合わせて行う場合と、車の買い替えなどのタイミングで、契約の保険期間の途中で切り替えを行いたい場合があると思います。

満期日に合わせて他社へ切り替える場合は、新たな保険契約の等級は1つ上がります。

しかし、満期日を待たずに、保険期間の途中に他社へ切り替える場合は、新たな保険契約の等級は、現在のままスタートとなり、等級が上がるのは新たな保険契約を結んだ日から1年後となります。

等級が上がるスピードで言えば、満期日のタイミングで切り替えと、等級の引継ぎを行なった方が、等級が上がるスピードは早いことになります。

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等級の引継ぎに関するポイント

他社へ切り替えのタイミングでの等級の引継ぎ

自動車保険を契約をしている保険会社を他社へ変更したい場合も、等級の引継ぎが可能です。

保険会社は、契約者の等級データを共有しています。

ですから国内のほぼ全ての保険会社や共済間で、等級の引継ぎが可能です。

しかし、一部の共済や農協で、等級の引継ぎが出来ない場合があります。
引継ぎが可能か不安な場合は、ご自分の加入している保険会社や共済に問い合わせをしてみましょう。

保険会社を他社へ切り替える場合は、解約日と始期日に注意が必要です。
できれば、これまで加入していた保険の解約日と、新たな契約の始期日を同一日になるようにします。

解約日と始期日がずれてしまうと、その間が無保険の期間となってしまうからです。無保険の期間に事故を起こしてしまうと保険は適用されませんので注意してください。

等級の引継ぎに重要な期間「等級継承期間」

自動車保険の等級を引き継ぐ場合には、前の契約から次の契約までの期間を7日以内にしなければなりません。

これはどこの保険会社でも共通で定められている期間で「等級継承期間」といいます。

もし、引継ぎの期間が7日を過ぎてしまうと、せっかくの等級を引継ぐ事が出来なくなってしまいます。

万が一、期間が7日以上空いてしまう場合は、保険会社から「中断証明書」を発行してもらいましょう。中断証明書あれば、自身の等級を10年間残しておく事が出来ます。

中断証明書は、長期間車を乗らなくなる場合や、海外へ長期間滞在する場合に活用出来るシステムとなり、必要な書類を保険会社へ提出し、発行してもらう事が可能です。

中断証明書の発行期間は、満期日又は、解約日から13ヶ月以内と定められています。

法人と個人の等級は引継げる?

個人から法人へ等級の引継ぎ

個人事業主が個人名義で加入していた自動車保険の等級を、法人設立を期に、法人契約時に引継げる場合があります。

個人から法人へ等級の引継ぎを行うには以下のようの条件があります。

①記名被保険者が同一である事
②事業内容が同一である事
③契約をする車が同一である事

この他にも、契約する保険会社によっては、車の所有者についても変更が必要な場合があります。

ですが、条件を満たしていれば、個人契約で積み重ねてきた等級を引継いで、法人契約に変更が可能です。

ただし契約する車を、従業員数名で使用する場合は、等級の引継ぎが出来ません。その場合は、新規加入で6等級からスタートとなります。

法人から個人へ等級の引継ぎ

法人契約の自動車保険の等級を個人契約に引継げる場合があります。

それは、法人を解散し、個人事業主となる場合に一定の条件を満たしているケースです。

法人契約の自動車保険から個人へ等級の引継ぎを行うには以下のようの条件があります。

①法人が解散されている事
②事業内容が同一である事
③契約する車が同一である事

これらの条件を満たしていれば、等級を引継ぐ事が可能です。
この場合にも、保険会社によっては別な条件が定められている場合もありますので、詳細は保険会社に確認をしてみましょう。

等級を引継ぎたくない場合は?

「無事故期間が長い」「等級が7以上」と言う場合は、当然ながら等級を引継ぎたいと思いますが、事故によって等級が1~5等級の場合は「等級を引き継がずに新規契約で6等級からスタートできたら…」と思いますよね?

しかし、残念ながら割増の等級も必ず新契約に引き継がれてしまいます

前述したように、保険会社は契約者の等級データを共有している為、事故歴を偽って自動車保険を契約しても、後の調査で必ず事故歴はバレることになります。

自動車保険の等級データが消えるには、保険の満期日や解約日から13ヶ月を経過しなければなりません。

つまり事故によって等級が低い場合は、13ヶ月間無保険でいれば、改めて6等級からの新規契約が可能というわけです。

ただし無保険の期間に事故を起こしてしまったら取り返しのつかないことになりますから、この方法は絶対におすすめできません。

6等級以下の人は等級を引き継ぎたくない気持ちも分かりますが、安全運転を心掛け、無事故でいれば確実に等級は上がっていきます。

一時の数万円を惜しんだがために、無保険期間に人身事故を起こし数億円の支払い義務を負ってしまったら、、

そうならないためにも等級がどうこう言う前に、まずは無保険の期間を作らないようにすることを優先するというのがドライバーとしてのマナーだと思います。

親子間・家族間で等級は引き継げる?

自動車保険の等級は、同居している親族間であれば、条件により引継ぎが可能になります。
家族間での等級の引継ぎについては以下の記事を参考にしてください。

自動車保険の等級まとめ

今回は等級の引継ぎについてご紹介しました。

重要なポイントとしては

・自動車保険の等級は新規加入で6階級からスタート
・保険を使わなければ1年で1等級ずつ上がり、最高20等級まである
・事故を起こし保険を使うと3等級下がる
・等級が20等級の保険料は63%引き
・等級が1等級の場合は保険料が64%増し
・保険会社を切り替えても等級は引き継ぐことができる
・個人→法人、法人→個人でも条件付で等級の引継ぎ可能
・一番大切なことは無保険期間を作らないこと

です。

昨今は、スマホからでも簡単に利用できる、自動車保険のネット一括査定で、車購入時に販売店で加入した自動車保険の保険料が相当に高いことに気付く方が多くなっています。

自動車販売店で保険に加入すれば、販売店の手数料がそのまま保険料に乗っかっていますから保険料が高くなるのは当然です。

そのため保険会社を切り替える人も多くなっていますが、その際「等級の引継ぎ」に関して不安に思う方も多いようですが、今回の記事でもご説明した通り、等級は引き継ぐことが可能ですから保険会社を変えても問題ありません。

それよりも大切なことは、余裕をもって現在加入している保険満期日の2~4ヶ月前ぐらいから切り替えの準備をし、無保険期間を作らないことです。

記事でも説明したように等級の引継ぎには「等級継承期間」があります。
現在の保険会社の保険料に不満があるなら、ギリギリになって焦らないように、早めに次の保険会社を決めておくようにしましょう。

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画像出典:https://www.insweb.co.jp
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