所有者が死亡してしまった車を簡単に売る方法
この記事では所有者が死亡してしまった車の売却について詳しく解説します。
筆者は20年以上中古車業界に携わってしますが、所有者が死亡してしまった車の買取依頼は恐らく皆さんが想像しているよりずっと多いと思います。
この記事を読めば所有者が死亡してしまった車の売却のすべてが分かりますので是非参考にしてください。
また、記事の後半には、面倒な手続きを、ほぼ “丸投げ” で売却できる方法もご紹介しているので是非参考にしてください!
普通自動車と軽自動車で手続きが違う
親族が亡くなられた場合、銀行預金や亡くなられている方の土地が遺産となることはご存知だと思います。
では「亡くなられた方が所有する車も財産」というのはご存知でしょうか?
亡くなられた方が所有していた車は、銀行預金や土地と同様、財産扱いになります。
そのため、亡くなられた方が所有していた車は、勝手に売却したり、名義変更することはできません。
通常、車の譲渡には所有者本人の印鑑証明書が必要になりますが、死亡届が提出された方の印鑑証明書は発行ができなくなりますから、その時点で車の譲渡は(必要な手続きなしでは)不可能ということになります。
ただし、財産扱いになるのは普通自動車のみです。
軽自動車は所有者が亡くなっても財産にはなりません。
普通自動車の場合は、車の車検証に記載してある事項を変更する場合、必ず印鑑証明書と実印の押印が必要になりますが、軽自動車の場合は、印鑑証明書や実印の押印は必要なく、旧所有者の認印と新所有者の住民票と認印があれば簡単に名義変更や売却は可能です。
よって、軽自動車の場合は、所有者が亡くなっても財産とはならず、簡単に名義変更ができてしまいます。
ただし、そのまま買取店に持っていっても、亡くなられた方の証明として戸籍謄本の提出を求められることがあります。
所有者が死亡した場合に車の売却に必要な書類とは
普通自動車の所有者が亡くなられた場合、その車を売却するには、通常の売却とは違った書類を用意しなければなりません。
通常用意する書類の他に、亡くなられたことを証明する書類と、車が遺産として相続される人たち(車の相続権のある人たち)から売却の許可が得られていることが必要になります。
ここでは、売却に必要な手続きを、業者に任せる場合と自分で行う場合について解説します。
業者に売却手続きを任せる場合に必要な手続きと書類
一般の方が車を売却する場合は、買取店に持って行ったり、新しい車を買うときの下取りに出すことがほとんどでしょう。
しかし、所有者が亡くなった車を処分する場合、買取店や下取りに持っていってもすぐに買取はしてもらえません。
それは、普通自動車は財産であることから、銀行預金や土地などの財産と同じ扱いとして、通常の売却の手続きとは異なる手続きが必要になるからです。
そこで、普通自動車の所有者が亡くなった場合に必要となる書類について詳しく見ていきます。
遺産分割協議書
車の所有者が亡くなられた車を売却する際に用意する書類の中で、一番重要な書類がこの「遺産分割協議書」になります。
遺産分割協議書は、亡くなられた方の財産を分割する時に銀行などからも貰えますが、自動車の場合は、専用の遺産分割協議書が用意されています。
遺産分割協議書は、全ての相続人が住所・氏名を記入し、全ての相続人の実印の押印が必要になります。
ただし印鑑証明書に関しては、現在は全ての相続人の印鑑証明書は必要がなく、代表相続人のみ印鑑証明書を用意すれば良いことになっています。
譲渡証明書
譲渡証明書とは、車を手放す時に旧所有者から新所有者に譲渡することを証明する書類で、旧所有者は譲渡証明書に実印を押印しなければなりません。
しかし、旧所有者の実印は死亡しており効力がありませんので、代表相続人が実印を押印することになります。
代表相続人の印鑑証明書
印鑑証明書は、車を売却する書類に実印を押印するので必要となる書類になります。
用意する印鑑証明書は、代表相続人の印鑑証明書1通で、発行から3か月以内のものになります。
新所有者の印鑑証明書
新所有者の印鑑証明書とは、例えば身内の中で亡くなられた方の車を購入したいという意向のある方がいる場合に、その方の印鑑証明書が必要になります。
身近に亡くなられた方の車を購入する人が居なければ、業者に新所有者の印鑑証明書の提出は必要ありません。
代表相続人の委任状
車を売却したり、名義変更をする場合に、手続きを自分で行わずに、第三者に依頼する場合に必要な書類として「委任状」を用意する必要があります。
通常、委任状には、旧所有者の名前と実印を押印しますが、旧所有者が亡くなられている今回のケースでは代表相続人の委任状が必要となります。
委任状は、業者で用意されているのでそちらに必要事項として住所と氏名を記入しますが、通常業者にお願いする場合は、実印の押印のみで後は業者が記入します。
新所有者の委任状
亡くなられた方が所有する自動車を身近な方が購入する場合は、その方の委任状も必要となります。
委任状は、新所有者も代表相続人の委任状とは別に作成して実印を押印します。
記入に際しては、業者にて行うので実印の押印をすればあとは何もする必要がありません。
車検証
自動車には必ず車検証が備え付けられていますので、車を売却する時には車検証を一緒に提出する必要があります。
もし、亡くなられていた方が「車検証の原本をどこかにしまってしいて見当たらない」といった場合は、車検証の再交付を行う必要があります。
亡くなられた方の所有する車の車検証を紛失して再発行する場合は、紛失理由書の提出が必要になります。
新所有者の車庫証明書
身近な方が亡くなられた方の車を購入した場合、新所有者となる方の車庫証明書を用意します。
車庫証明書は、新所有者の方が車を保管する場所の管轄の警察署にて申請を行いますが、煩わしい場合は、業者にて代行で申請を行ってもらえます。
亡くなられた方の戸籍謄本(除籍謄本)
亡くなられた方の車を売却する上で重要となってくる書類の一つに戸籍謄本があります。
戸籍謄本は、被相続人(亡くなられた方)と相続人全ての戸籍謄本が必要となります。
戸籍謄本により、被相続人との血縁関係を証明する大事な書類で、遺産分割協議書に記載の名前と住所と相違がないか確認のために提出します。
戸籍謄本には、結婚して苗字が変わっていたり住所変更を何回も行い、戸籍謄本に記載されている相続人の住所・氏名が違うことも多々あります。
通常の遺産相続であれば、戸籍の附票など繋がりがわかる書類が必要になりますが、自動車の遺産相続の場合は、各陸運支局の窓口で書類の省略ができることがあるので、窓口にて問い合わせするようにします。
自分で行う場合に必要な手続きと書類
亡くなった方の所有する車を自分で売却する手続きをする場合は、業者にお願いする時とは違い、書類に全て自分で記入することに加え、その他にも申請する手続きがあります。
申請書類も自分で用意する必要があり、手間と時間がかなりかかることを覚悟する必要があります。
実際に用意する書類は、前出の業者にお願いする時に必要な遺産分割協議書などの書類に加え、陸運支局窓口や、隣接する税事務所に納付する税申告書などのほか、申請書としてOCRシートを用意します。
では自分で行う場合に必要な書類を詳しく見ていきます。
手数料納付書
車を売却するということは、所有者の名義を変更することになるので、基本的に名義変更の手続きとなります。
その際、運輸支局窓口にて、手数料納付書を手に入れて、手数料分の印紙・証紙を貼って提出します。
名義変更は、移転登録手続きになるので、手数料は500円となり、運輸支局に隣接する印紙・証紙売りさばき場にて購入します。
記入方法は、当日に運輸支局窓口の記入例を見ながら記入すれば問題ありません。
自動車税、自動車取得税申告書
車には自動車税があり、全ての自動車の使用者が毎年納付していますが、この変更手続きを運輸支局に隣接する税事務所にて行います。
また、同時に自動車には新たに取得する際に自動車取得税がかかるので、税事務所にて算出してもらいその金額を納付することになります。
高額な車になれば、取得税も高額になるので、事前に税事務所に自動車取得税の金額を問い合わせておけば、当日お金を用意していくことができるので、万が一お金が足りないなんていうトラブルを避けられるでしょう。
問い合わせには、自動車車検証にある年式と車名と型式、そして類別区分番号を告げると、取得税額を知ることができます。
申請書
申請書は、鉛筆で記入するOCRシートで、専用様式が決まっているので運輸支局で手に入れるか国土交通省のHPよりダウンロードして使用します。
OCRシートは、記入したものをコンピューターで読み取り車検証として発行する素となる用紙ですから、印刷して記入し持っていく場合は、国土交通省のHPの注意書きをよく読んで行ってください。
車の価値が100万円以下の場合
車は財産として扱われ、その所有者が亡くなった場合は、遺産として処理しなければなりません。
しかし、車の時価総額が100万円以下の場合は、かなり簡略化された手続で車の売却を行うことができます。
簡略化される手続きで代表的なものでは「遺産分割協議書」の提出が不要になりなす。
その代わりに「遺産分割協議成立申立書」を提出します。
「遺産分割協議成立申立書」は、代表相続人だけが記入するだけ良く、他の相続人から名前と実印の押印がいらないので、手続きが早く進められる利点があります。
100万円以下の車の場合には、そのことを証明できる書類の提出が必要ですが、簡単なのは、買い取り業者に見積もり金額を書面にしてもらえば問題ありません。
書類作成に不安を感じたら業者に依頼してしまおう
ここまで解説してきたように、亡くなった方が所有する車を売却するのは非常に手間がかかります。
用意する書類の中で特に大変なのは、相続人全ての人に実印を押印してもらうことになるでしょう。
逆にこれさえクリアできれば、通常の売却とあまり変わらない手間で、書類を集めて手続きをすることができます。
ただし、それは書類作成には慣れていればの話で、ほとんどの人がこのような手続きに慣れてはいないでしょうからかなり大変だと思います。
ただでさえ親族が亡くなり、あわただしい中でこのような手間のかかる手続きを自分で行うには、かなりの時間と労力が必要となることでしょう。
事実、代書のプロでも「所有者が亡くなった方の手続きの代行は大変」と言います。
たしかに自分で手続きを行えばお金もはそれほどかかりませんが、あわただしい中でこういった手続きをするのは本当に大変ですから、実際は、ほとんどの人が書類の用意から記入まで業者に代行をお願いしています。
業者にお願いすれば、各段に楽に、亡くなった方の車の売却を行うことができます。
手続きの代行は、司法書士や行政書士にお願いすることもできますが、おすすめは、手続きの代行までしてくれる車買取業者にお願いしてしまうことです。
司法書士や行政書士にお願いすると高い代行料金がかかりますし、車を相続して乗り続けるならまだしも、売ってしまうならはじめから買取業者に丸投げしてしまったほうが楽ですし、代行料金も車を売却したお金で補うことができます。
ただし、手続きの代行は全ての買取業者が行っているわけではありませんので、まずは代行してくれる買取業者を選ばなければいけません。
また、できるだけ高く売れれば、それだけ手元にお金が残りますから、高額買取してくれる業者を選ぶ必要があります。
そういった業者を見つけるなら、今ところ、一括査定サイトの「ユーカーパック」を利用するのが間違いなくベストです。
面倒な続きを丸投げするなら「ユーカーパック」で手続き代行可の業者を紹介してもらうのがベスト
所有者が亡くなった車を売却する際の買取業者の条件は
・手続きを代行してくれること
・できるだけ高額買取してくれること
の2点がまずあげられますが、ユーカーパックは2,000社もの買取業者が登録している “一括査定サイト” なので、手続きを代行してくれる業者はいくらでもあります。
さらに、オークション形式で査定額がグングン上がっていきますから、間違いなく “近所の買取業者” にお願いするよりは高額で売却できると思います。
そしてもう一点、ユーカーパックを利用する最大のメリットとして「2,000社もの買取業者をユーカーパック1社が統括している」というのがあります。。
どういうことかというと、他の一括査定サイトは、登録している買取業者が統括されていないため、売却したい車や依頼者の情報を入力して送信すると、(登録している)それぞれの買取業者から何件も電話がかかってきてしまいます。
ただでさえ親族が亡くなりあわただしい時に、複数の買取業者から何件も電話がかかってきたら辟易としてしまいますよね。
しかしユーカーパックは、登録している全ての買取業者をユーカーパックが統括しているので、電話もユーカーパック1社からかかってくるだけです(下図参照)。
ですから、ユーカーパックの担当者にだけ「所有者が亡くなった車を売却したいのだけど、手続きの代行をしてくれて、なるべく高額買取してくれる業者を紹介してほしいのですが」と伝えれば該当の業者を紹介してくれます。。
こういった方式の一括査定サイトは、日本ではユーカーパックだけですから、所有者が亡くなった車の売却に困っている方は是非利用してみてください。
利用方法は、まず、車の情報と、あなたの名前、連絡先を入力して送信してください。
折り返しユーカーパックの担当者から電話が入りますので、その時に
・所有者が死亡していること
・手続きを代行してほしいこと
・できるだけ高く売りたいこと
・売った金で代行費用もまかないたいこと
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出典:https://ucarpac.com/
所有者が亡くなった車を売却するなら、現状ではユーカーパックで買取業者を見つけるのがベストです。ユーカーパックのように1社で登録業者全社を管理している一括査定サイトは他にはありませんから是非利用してみてください。
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